法人営業「力」を鍛える
プロジェクトで営業系の仕事へアサインされることになったので、前から気になっていた本を読んでみた。法人営業にフォーカスして書かれた本で、筆者がはじめに触れていたが、法人分野向けの教科書は皆無に等しく、大学での授業で困ったので、自分で書いちゃいましたという本です。巷の営業系の本は、できる営業マンのKKDによるハウツー本が多い印象でしたが、本書は事例も豊富で、ネーミングもキャッチーだし、法人営業戦略を立案するにあたって参考になるポイントが多い。
日本にはびこる法人営業の問題点、すなわちマーケティングロジック欠乏症は下記とは下記の2つの問題からなる。
・市場を科学的にとらえ分析するマーケティングの基本的な見方・考え方や手法が欠如し、正しい営業・販売戦略ができていない。
・正しい営業・販売戦略を現場に落とす遣り方や、現場をしっかり管理したり、営業スタッフに実行させたりする仕組みが欠けているために、営業活動が無秩序でバラバラ見える
その原因として、視野狭窄、KKD(勘・経験・度胸)依存、オキャクキング錯覚、GNN依存、ローンウルフ性癖、価値自律失調があげられている。
全編を通して言いたいことは、マーケティングロジックを持つことによって、「自社のどの製品・サービスをどの顧客にどう売り、どう競争相手に持続的に差をつけ、どう利益を上げるか」に関する首尾一貫した見方・考え方・行動の仕方を持てるようになる。
そして、マーケティングロジックを持つことで、さまざまなスキル・テクニックを含めて様々な営業努力や活動、人材の選定について方向感を与えることにより、営業活動に一本軸を通し、最も効果的に集中できるようになる。
後は備忘録メモ
・市場を分析する際のツールとして、(1)チャンスマップ、(2)顧客セグメンテーションマップ、(3)売上方程式、(4)競合ベンチマーキング
・顧客セグメンテーションのポイントとして、(1)顧客別の収益性をまずしっかり把握すること、(2)収益性は、現在の収益性と将来の収益ポテンシャルの両方を把握すること、(3)収益性に基づいて、顧客の色分け・セグメンテーションを行なうこと
・戦略としては、標準化かカスタマイゼーション戦略の二つしか無く、それぞれ別の道なので、別の道へは転換しにくい。
・顧客アプローチの例として、ミッション別営業スタッフ、チーミング、サプライヤーとのコラボレーション、SFE(営業生産性を高める)が紹介。
- 作者: 今村英明
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2005/04/15
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