プレゼンテーションZENデザイン
- 作者: ガー・レイノルズ,熊谷小百合
- 出版社/メーカー: ピアソン桐原
- 発売日: 2010/06/25
- メディア: 単行本
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筆者は伝統的な美から下記のデザイン原則を提示している
- 簡素:不要なものを排除することによって得られる明快さ
- 不均整:ダイナミックな美
- 渋み:抑制がもたらす美
- 自然:??
- 幽玄:はっきりと示さずそれとなく示唆する。見せる部分を減らすことによって表現力を増やす。
- 脱俗:「脱俗」を目の辺りにすることで、因襲や慣例から抜け出すことが可能だと驚く。
- 静寂:静かでひっそりしていること、活力を秘めた静けさ
- 和:バランス
- 間:空白、空間的な・時間的な感覚。背景としての余白ではなく、間自体がデザインを構成することもある。
- 余白の美:直接表現されず、暗に示された部分に美を見出すこと
テクニック的なことは隅々まで読んで体得すると良いが、P229〜230ページに全て集約されているように思う。他のページでは、タイポやカラーリング、写真といったことまで触れており、日本の伝統的な和傘や墨絵、庭園などから、様々なデザインの原則を見出している。
個人として心に残った点は下記の3点
- 前作でも紹介されていたが、ノイズを少なくすること。(=SNRを高くすること)
- スライドと文章を混同しないこと。詳細なデータは添付資料で配布すること。
- 最も使いやすいグリッドのひとつに3分割法を使用すること(筆者は5×4のグリッドも推奨)
またシンプルなスライドを作成するにあたり、常に自問自答すべき問いは下記の2点をメモっておく。
- そのスライドを削除することは可能だろうか?
- そのスライドが不可欠な場合、どのデザイン要素を外せばより効果的なスライドになるだろうか?
なお、ビジネスインテリジェンスの分野での第一人者であるスティーヴン・フューの設立した会社のWEBサイトで、グラフデザインのIQテストを受けることが出来るのでお試しあれ。原理原則を学ぶことも大切ですが、何が良いチャートで、悪いチャートか、違いを見極めることも大切だと思う。
http://www.perceptualedge.com/