情報調査力のプロフェッショナル − ビジネスの質を高める「調べる力」
情報調査力のプロフェッショナル―ビジネスの質を高める「調べる力」
- 作者: 上野佳恵
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/03/13
- メディア: 単行本
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仕事柄、リサーチすることが多い。入社時に研修を受けて、その後リサーチは我流でやってきたのだが、自分の経験の棚卸をしてもらおうと思い、手に取ってみた。予想では、情報源が網羅されているのかと思ったが、僕が仕事柄利用する情報源とは違いは無く、あまり新しい発見は無かった。しかし、さすがにMDBを経て、大手コンサルティング会社でリサーチのトレーニングを担当されていただけあって、体系的にまとめられており、一方経験も織り交ぜられており、読みやすかった。
調査プロセスごとに、調べる力と求められる能力は下記の通りとのこと。
(1)知識ギャップの認識⇒問題発見力・思考力
(2)自分の情報源リストとのすり合わせ⇒豊富な知識とそれえを活用できる力・整理利欲
(3)情報の取得⇒コンピュータ等のツールの活用力
(4)検証・伝達⇒分析力・判断力
(5)伝達⇒コミュニケーション力
(6)自分の情報源のリストの整備:判断力・整理力・蓄積力
自分には、(2)と(5)が弱くて、さらに(6)が全くされていないはず。一方、強みなのか(3)の力技で押し切る傾向ありかも。
リサーチに、裏技のようなものはない。やはり、地道に丁寧にプランニングして、適宜仮説を検証しながら、途中で立ち止まって、適宜仮説を変えていくことが必要。
あとは、下記気になったフレーズ。
・誰かから依頼を受けて情報を集めてまとめる場合、スケジュールがギリギリであれば仕方ないのですが、できれば一日でも反日でも早めに渡すようにしたほうがいいでしょう。
・自分が依頼を受ける側であれば、最初に「背景・目的、詳細な内容、納期、予算」を確認することが重要。
・全ての調査には目的があり、それに沿って行われている
・いきなり作業に入らない
・手当たり次第は駄目、
・情報を読み込んでまとめるためには集めるためにかかった時間と同じかそれ以上の時間がかかる
さて、この書籍で触れられていたのだが、内閣府によると、対面調査とインターネットの調査では回答に差異が発生するそうだ。特に下記の2点で顕著。
・能動的、個人志向的な設問
・「豊かさの焦点」「将来への展望」など経済面に関する設問
http://www8.cao.go.jp/survey/sonota/sindex.html
コスト面でインターネット調査が用いられることケースが増えてきたが、インターネットと対面調査の結果は異なると思っていたんだよな。そういう点にも気を付けなければという気づき。